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AI2026.10.02

dots・ChatGPT Work・Claude Cowork比較

dots・ChatGPT Work・Claude Coworkの違いを、動き方・料金・管理機能・向く業務で比較。円とUSDで表示が異なる料金の見方と、契約先を選ぶ3つの判断軸も解説します(2026年10月2日時点・公式情報にもとづく)。

大きなdotsのカードと、同じ大きさのChatGPT Work・Claude Coworkのカード2枚を並べて、dotsの動き方の違いを示した手描き風のイメージイラスト

図1:dotsとChatGPT Work・Claude Coworkの動き方の違い(公式情報をもとに作成)

OpenAIとAnthropicから、業務向けのAIが相次いで登場し、「dots、ChatGPT Work、Claude Coworkのどれを契約すればよいのか」と迷っていないでしょうか。社内で比較を任されたものの、製品名も料金の表示も違い、整理しにくいという声もあるかもしれません。

この記事は、dots・ChatGPT Work・Claude Coworkの3つを、動き方・料金・管理機能・向く業務で比べ、契約先を選ぶ手がかりを示すものです。ソースコードが公開されたソフトウェア(OSS)を自分で構築・運用するタイプ(OpenClawなど)は対象外です。3つとも、OpenAIまたはAnthropicがサービスとして提供しています。

結論は次のとおりです。

  • 会話の合間も、調査や作業を任せ続けたい → dots(ProかBusiness Premiumが前提。Enterpriseは管理者が有効化するベータ版)
  • 依頼のたびに、資料や分析などの成果物を作らせたい → ChatGPT Work
  • Claudeのチャットと同じ会話の中で、複雑な作業まで任せたい → Claude Cowork(Pro・Maxでは統合が先行。Team・Enterpriseは現状のまま)

管理機能の要件(監査ログなど)が厳しい場合は、まず契約プランごとの管理機能の差を確認してください。詳しくは後半で整理します。

3製品は仕様が頻繁に更新されており、今後変わる可能性があります。この記事は2026年10月2日時点の公式情報にもとづいており、公式に記載が確認できなかった点は、その旨を明記します。

この記事でわかること
  • 3製品の立ち位置と動き方(dotsの概要と、Work・Claude Coworkとの違いを含む):dotsは常時稼働の形、ChatGPT Workは依頼ごとに成果物を作る形、Claude Coworkはチャットと統合された形(Pro・Maxで先行。Team・Enterpriseは現状のまま)
  • 料金とプラン:ChatGPTは円、ClaudeはUSDの表示(Claudeは日本の消費税10%込みと記載)。金額の大小は比べず、シート構成と含まれる機能で見る点
  • 管理・統制機能の差:管理者のオン・オフ、ログ、データの扱いのプランごとの違い
  • 向く業務と選び方:公式が挙げる例にもとづく早見表と、契約先を選ぶ3つの判断軸
  • 公式で確認できなかった点:dotsの責任分担やデータの保存先の地域など、導入前に再確認したい項目

dotsは、WorkやCoworkと何が違う?

dotsは、会話の合間も、目標に向けて自分で進め続ける点が、ChatGPT WorkやClaude Coworkと違います。違いを見る前に、dotsとは何かを説明します。

dotsとは

dotsは、OpenAIが2026年9月29日に発表した、ChatGPTの中で使える、常時稼働のAIエージェントです(OpenAI「dots のご紹介」)。エージェントとは、目的を伝えると、自分で判断して作業を進めるAIです。dotsは製品名で、利用者が作る1体のエージェントを「dot」と呼びます。質問に答えて終わるチャットと違い、会話の合間も作業を進め続けるのが特徴です。

公式は、新しく人を迎えるときに環境を整えるのと同じように、dotにも専用の環境を用意すると説明しています。具体的には、次の4点です。

  • 専用の環境:dotは専用のクラウドコンピューターとブラウザーを持つため、24時間動ける。SlackやTeamsでは、権限設定に応じてdotが独自の相手としてやり取りできる
  • 普段のアプリとの連携:プラグイン(外部のアプリとつなぐ仕組み)を通じて、4,000以上のアプリに接続できる
  • 頼む場所:ChatGPTのほか、SlackやTeamsなどから連絡できる
  • 作業の確認:dotのコンピューターを、いつでも開いて作業を確認できる

公式が挙げる例は、次の2つです。

  • OpenAI社内の例:Slackでバグが報告されると、dotsが調査を始めます
  • OpenAI社外の初期テスターの例:テスターが忘れていた媒体への請求に、dotが気づいて請求書を作成し、テスター本人の承認後に送信しました

どちらも、依頼を待たずに作業を始める例です。ただし、dotは間違えることもあるため、重要な影響を伴う作業は必ず確認するよう、公式は案内しています。

dotが自力で動ける範囲は、利用者が決めます。ヘルプによれば、操作ごとに、確認なしで実行する、事前に承認していれば実行する、実行前に確認する、利用者に引き継ぐ、の4つから選べます(カスタムルール)。たとえば、メールは送らせない、という決め方もできます。パスワードの変更や送金のような特に慎重な操作は、利用者が自分で行います(OpenAIヘルプ「Dots privacy, security, and safety FAQs」)。

dotsは、対象地域のProか、Business Premiumのプランに順次提供されます(Enterpriseは管理者が有効化するベータ版)。最初の1体は追加料金なしです。

▼ dotsの概要や、自分で運用するOSSとの違いについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

WorkやCoworkとの違い

ChatGPT Workは、ChatGPTの中で、目標を完成した成果物に仕上げるエージェントです。Claude Coworkは、Claudeのチャットの中で、タスクを実行する機能です。この2つとdotsを、各社の公式ページで確認できた範囲で比べると、次のとおりです。

観点dotsChatGPT WorkClaude Cowork
会話の合間の自律的な進行頼まれた作業の合間にも、次にやることを自分で考えて進める(OpenAIヘルプ「Getting started with your dot」)記載なし記載なし
頼まれていない事前調査(プロアクティブリサーチ)あり(読み取り専用のツールのみ)記載なし記載なし
専用のIDあり記載なし記載なし
スケジュール実行あり(リマインダー、定期チェック)あり(1回のみ、繰り返し、変化の監視)あり
確認・承認の範囲カスタムルールで決める利用者が決める既定で行動前に確認

「記載なし」は、今回確認した公式ページで見つからなかったという意味で、機能がないことを示すものではありません。事前調査とは、dotが頼まれていなくても、接続したアプリの情報を調べ、手伝える方法を提案したり、記憶(今後の作業に使う情報)を作ったりすることです。

つまり、スケジュール実行や確認の仕組みは3つに共通します。今回確認した範囲では、頼まれていない時間にも動く点と、専用のIDを持つ点が、dotsだけに見られる特徴です。

一言でいうと、Workは成果物づくりを依頼する使い方、dotsは仕事そのものを任せる使い方です(この記事の整理)。Workは依頼ごとに資料や分析を仕上げ、dotsは目標に向けて作業を進めながら、必要に応じてWorkなどにも作業を任せます。

また、WorkとCodex(OpenAIのソフトウェア開発向けエージェント)は、dotから使うこともできます。ヘルプによれば、dotにローカルPCへのアクセスを許可すると、dotはWorkやCodexのタスクを作成できます(アクセスは任意で、初期状態はオフです)。目標を持つのがdot、成果物づくりを担うのがWork、という使い分けは、この記事の整理です。

3製品の立ち位置は、次の節の表で整理します。

3つの業務向けAIは何が違う?

dotsは会話の合間も働き続ける常時稼働のエージェント、ChatGPT Workは依頼ごとに成果物を作るモード、Claude Coworkはチャットと統合されたClaudeの実行機能です。

各社の説明では、3つとも、複数のステップにわたる作業を自律的に進められる点が共通しています。違いは、いつ・どこで・どう動くかに表れます。

観点dotsChatGPT WorkClaude Cowork
提供元OpenAIOpenAIAnthropic
位置づけChatGPT内の常時稼働のエージェントChatGPT内で、長い複数ステップの作業を成果物にするエージェント2026年9月16日からPro・Maxで先行して、チャットと統合された「ひとつのClaude」の機能群(Team・Enterpriseは現状のまま)
動き方専用のクラウドコンピューターで24時間動き、会話の合間も進める依頼ごとに作業し、成果物を返す1つの会話で、素早い質問も複雑なタスクも扱う
主な対象プランPro、Business Premium、Enterprise(管理者が有効化するベータ版)有料プラン中心。無料・Goはデスクトップアプリで制限あり有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)。統合はPro・Maxで先行
根拠(前掲のOpenAI「dots のご紹介」)(OpenAI「ChatGPT は、あなたの最も意欲的な取り組みのパートナーに」)、主な対象プランはChatGPT「料金」(後述)(Claude公式ブログ「Claude Cowork and chat are now one Claude」)、Team・Enterpriseの扱いはClaudeヘルプ(後述)

つまり、3製品は「どれが高機能か」よりも、常時稼働型か、依頼型か、チャット統合型かという動き方の違いで分かれます。

動き方の違いは?常時稼働か、都度依頼か

dots・ChatGPT Work・Claude Coworkの動き方を、作業の単位、成果物、人の関わり方、繰り返し実行、実行場所、使う場所、利用の上限の7つの観点で並べて比較した手描き風の解説図

図2:3製品の動き方の違い(公式情報をもとに作成。出典は本文参照)

dotsは会話の合間も自分で作業を進め続ける形、ChatGPT Workは依頼ごとに長い作業を進めて成果物を返す形、Claude Coworkは会話の中に作業の実行が組み込まれた形です。

製品ごとの動き方を整理します。出典は、前掲の各発表ページに加えて、dotsは前掲のOpenAIヘルプ「Getting started with your dot」、ChatGPT WorkはOpenAIヘルプ「ChatGPT Work and Codex」、ClaudeはClaudeヘルプ「Claude Cowork and chat are one Claude」のヘルプです。

3製品を、同じ7つの観点で比べます。

観点dotsChatGPT WorkClaude Cowork
作業の単位継続的な責任を引き受け、目標と自力で動ける範囲を渡すと、会話の合間も進め続け、結果を確認のために返す依頼した作業を進め、成果物に仕上げる。必要に応じて、何時間もかけて取り組む1つの会話で、素早い質問も、調査・レポート・スプレッドシート作成などの複雑なタスクも扱う
成果物資料に限らず、任された仕事の結果。公式の例は、バグの調査、請求書の作成と送信(本人の承認後)、デザインを動作するアプリに仕上げることなどシート・スライド・ドキュメント・Webアプリ(Webアプリ作成のSitesはパブリックベータ)Word・PowerPoint・表計算形式のファイルも出力できる
人の関わり方判断が必要な場面で、利用者に確認する。確認や承認の範囲は、カスタムルールで決める。パスワードの変更や送金などは、利用者が自分で行う進捗の確認、質問への回答、方向修正、重要アクションの承認ができる。確認や承認が必要な場面は、利用者が決める既定では、アクションの前に確認を求める。公式ブログによれば、より詳しい確認が必要なときだけ確認する設定にも切り替えられる
繰り返し実行リマインダーや定期チェックを頼める(例:毎朝、予定を確認して知らせる)。繰り返しの周期や時刻は、後から変更できる。イベントをきっかけに動く設定や、変化の監視の記載は、今回確認したページでは見つからなかった(OpenAI社内の例には、Slackの報告をきっかけに調べ始める例がある)1回のみの実行、スケジュールやイベント発生時の繰り返し、変化の監視を設定できる。イベントトリガー(新着メールなど)はPlus以上が対象で、無料・Goでは使えないスケジュール実行に対応(統合後のPro・Max)。「毎週月曜に」のような設定例があり、より複雑なタスクは、ラップトップを閉じてもクラウドで動き続ける
実行場所専用のクラウドコンピューターで24時間動く。ローカルPCへの接続は任意で、初期状態はオフWeb・モバイルはクラウドで実行する。デスクトップアプリでは、許可のもとでローカルのファイルやアプリも扱えるデスクトップアプリで、ローカルのファイルやフォルダに接続できる。コンピューター使用は、Pro・Maxのベータ機能。Pro・Maxは、2026年10月6日から新しいタスクがクラウドで実行される(表の下に補足)
使う場所ChatGPT、Slack、Teamsなどから連絡できる。作成はパソコンのみ(デスクトップアプリかブラウザー)で、スマホでは作れない。作成後は、スマホのChatGPTアプリで会話できる(利用できるようになったアカウントのみ)。スマホのブラウザー版は非対応。SMSでの連絡は、米国のProだけが対象の試験提供(BusinessやEnterpriseは対象外)ChatGPTのWeb、モバイル、デスクトップアプリで使える。音声で話しかけて頼むこともできる。無料・Goは、デスクトップアプリで制限ありデスクトップ、Web、モバイルで使える。WebとモバイルはベータでPro・Max・Teamが対象。Enterpriseでは、管理者が有効にした場合に使える
利用の上限会話は、ChatGPTの利用上限にカウントされない。WorkやCodexで始めたタスクは、通常どおりカウントされる使用量はタスクの複雑さで変わり、重い作業ほど消費が増える(Codexと同じ利用体系)統合後は、チャットも作業も、すべての利用がプランの利用上限にカウントされる

Claude Coworkの実行場所について、補足します。

Pro・Maxでは、アカウントごとに順次、統合後の体験に切り替わります。メッセージ欄に「Chat」と「Cowork」の選択肢がまだ表示されている場合は、切り替わる前の状態です。一度切り替わると、従来のように両者を個別に選ぶ画面には戻せません。「画面が以前と違う」と感じたときは、この切り替えが理由かもしれません。

dotsのように「専用のクラウドコンピューターで24時間動く」という記載は、今回確認したClaude側の公式ページでは見つかりませんでした。Claudeで確認できたのは、スケジュール実行と、クラウド実行の範囲でラップトップを閉じた後も続く作業までです。

整理すると、目標を渡して継続的に任せ続けるならdots、成果物を依頼のたびに作らせるならChatGPT Work、チャットと同じ画面で手元のファイルも扱うならClaude Coworkが、動き方の面で合います。

料金とプランの違いは?

3製品とも、単体の追加料金ではなく、各社のプランに含まれる形です。どのプランで使えるかは、次の2つの表で整理します。なお、ChatGPT側は円、Claude側は米ドル(USD)の表示です。Claude側は料金ページに日本の消費税(JCT)10%込みとの記載があります。ChatGPT側は税込・税抜の記載を確認できていません。通貨が異なるため、金額の大小での比較はできません。

この記事では為替換算をしません。比べるのは金額ではなく、シート構成と、どの機能が含まれるかです。ChatGPT BusinessとClaude Teamでは、シートは1ユーザー分の利用枠のことで、標準と、利用枠が大きいプレミアムの2種類があります。

ChatGPT:プラン別の料金と、dots・Workの対応

料金はChatGPT「料金」、dotsの対象は前掲のヘルプにもとづきます。

プラン料金dotsChatGPT Work
無料0円対象として挙げられていないデスクトップアプリで制限あり
Go1,400円/月対象として挙げられていないデスクトップアプリで制限あり
Plus3,000円/月対象として挙げられていない使える(デスクトップ・Web・モバイルで拡大)
Pro16,800円/月から(利用枠は3段階)使える(EEA・スイス・英国を除く)使える(セッションをより長く利用可)
Business 標準シート3,050円/月(年額課金)、3,850円/月(月額課金)対象として挙げられていない使える
Business プレミアムシート15,250円/月(年額課金)、19,250円/月(月額課金)使える(サポート対象の全リージョン)使える(標準シートの5倍の利用枠)
Enterpriseカスタム価格管理者が有効化するベータ版(既定オフ)使える(管理者が設定。対象のワークスペース)

ChatGPT側の表示は円です。税込・税抜の記載は確認できていません。Businessは2〜200名向けで、ChatGPT、ChatGPT Work、Codexのすべての機能が含まれると料金ページに記載されています。

Claude:プラン別の料金と、Coworkの対応

料金はClaude「料金」、Coworkの対象は前掲のClaudeヘルプにもとづきます。

プラン料金(米ドル)Claude Cowork
Free$0対象外(有料プランが対象)
Pro$18/月(年払い。$220の一括請求)、$22/月(月払い)使える(統合後の体験が先行)
Max$110/月から(使用量はProの5倍または20倍)使える(統合後の体験が先行)
Team スタンダードシート$22/月(年払い)、$27.50/月(月払い)使える(統合前の形のまま)
Team プレミアムシート$110/月(年払い)、$137.50/月(月払い)使える(統合前の形のまま。スタンダードの5倍の使用量)
EnterpriseUS$20/月(年払い)+API利用料と同じ単価で課金される使用量使える(WebとモバイルのCoworkは、管理者が有効にした場合。統合前の形のまま)

Claude側の表示は米ドルで、料金ページに「Prices include 10% JCT」(日本の消費税10%込み)と記載されています。Enterpriseは「US$20」と表記されています。Teamは2〜150名向けです。

読み取れる要点は、次のとおりです。

  • Business Premiumの解釈:Businessには、料金ページで「標準シート」「プレミアムシート」と呼ばれる2種類があります。ChatGPT Workのヘルプは、同じ2種類を「Business Standard seats」「Business Premium seats」と呼び分けています。dotsのヘルプの「Business Premium」は、この記事ではプレミアムシートとして扱います。料金ページの機能比較表でも、Dotの行はBusinessの列で「Business Premium」と記載されています
  • dotsの追加料金:最初のdotは追加料金なしです。将来は、dotの追加や、速度・月間作業量の拡大が可能になる予定です(dots発表ページの記載)
  • dotsの利用枠:dotとの会話はChatGPTの利用上限にカウントされませんが、dotがCodexやChatGPT Workで始めたタスクは通常どおりカウントされます
  • Claudeの統合の対象プラン:統合後のClaudeはPro・Maxで先行して展開され、TeamとFreeが続く予定です。料金ページは「今後、さらに多くのプランにも対応予定」と案内しています
  • Claude Design・Slides・Docs:ProとTeamに含まれます(いずれもベータ版)
  • Claudeの日本での提供:Claude.aiの対応地域に日本が含まれます(Anthropic「Supported countries and regions」)。WebとデスクトップアプリのUIは、日本語を選べます(Claudeヘルプ「How to use Claude in your preferred language」)。Claude Coworkを名指しした日本での提供の記載は、確認できていません

2026年10月2日時点では、ChatGPTではdotsの利用可否が、ProかBusiness Premiumかで分かれます。Enterpriseは、管理者が有効化するベータ版です。Claudeは、TeamにもSSOや一元的な請求・管理などの機能がありますが、監査ログなどはEnterpriseのみです。次の節で、その管理機能の差を見ます。

管理・統制機能の差は?

dots・ChatGPT Work・Claude Coworkの管理者のオン・オフ、クラウド実行、ローカルのデータ、ログ・監査の違いを、3列4行で並べた手描き風の比較図

図3:3製品の管理・統制の違い(公式情報をもとに作成。対象プランは本文の表を参照)

3製品とも、管理者が機能を制御できる仕組みがありますが、制御の単位と既定値、ログの取り方がプランごとに異なります。

企業で導入する場合は、機能の有無だけでなく、どのプランで、どこまで管理できるかを確認してください。

用語を2つ補足します。Compliance APIは、会話や操作の記録を管理者が取得するためのAPIです。Eduは、教育機関向けのプランです。なお、表と箇条書きのClaude Coworkの管理設定は、Team・Enterpriseの現行版(統合前)のものです。

観点dotsChatGPT WorkClaude Cowork
オン・オフの単位Enterpriseは管理者が有効化(ベータ版、既定オフ)管理者が、クラウド実行(Work Cloud)とローカル実行(Work Local)を権限で切り替え管理者設定でオン・オフ。Cowork本体は既定でオン
クラウド実行専用クラウドで動作。ローカルPCへの接続は任意クラウド実行(Work Cloud)は、ローカル実行(Work Local)とは別の権限として、管理者が許可を設定するCowork本体とは別の設定。Teamは既定でオン、Enterpriseは既定でオフ
ローカル実行時のデータ公式に保存先の記載は確認できていませんメッセージやタスクの内容は、ローカル実行でもクラウドに保存されることがありますローカルセッションの会話履歴はユーザーのPCに保存
ログ・監査・確認管理者向けのログ・監査機能の記載は確認できていません。自動レビューがあり、利用者はdotのコンピューターを開いて作業を確認できますEnterprise・Eduの管理者は、Compliance APIでWorkの会話とアクションを可視化Enterpriseは、Compliance APIでクラウドセッションなどを取得可能
根拠前掲の発表ページ、OpenAIヘルプ「Getting started with your dot」前掲の発表ページ、OpenAIヘルプ「ChatGPT Work and Codex」(Claudeヘルプ「Use Claude Cowork on Team and Enterprise plans」)、前掲の料金ページ

製品ごとの管理上の特徴を整理します。

dots

  • 権限の考え方:アクセスと権限のための専用IDを持ち、カスタムルールで「許可」「承認必須」「ブロック」を設定できます
  • 企業向けの機能:固有のIDと役割を持つ専門dotsは、企業向けの限定プレビューです。Microsoftの管理基盤「Microsoft Agent 365」との統合も、OpenAIが進めていると発表ページは説明しています
  • データの扱い:発表ページによれば、ChatGPT Business・Enterprise・Eduのワークスペース内のコンテンツは、既定ではモデルの改善に使われません
  • 保持と削除:前掲のOpenAIヘルプ「Dots privacy, security, and safety FAQs」によれば、dotの文脈(会話や連携アプリから得た情報)は、dotを保持している間は保持され、dotを削除すると消えます。保存時と通信時には暗号化されます。認証情報、画像、スクリーンショットは文脈に保持されません。dotが作ったファイルやCodexのスレッド、ChatGPTの会話は別に保存され、dotを削除しても消えません
  • アプリ連携を解除したとき:アプリとの連携を解除しても、dotが取得済みの情報は削除されません。削除するには、dotの削除(Reset)が必要です。Resetでは、会話、記憶、予定タスクも消えます。連携を外しただけでは情報が消えない点に、注意が必要です(前掲のOpenAIヘルプ「Getting started with your dot」の記載)
  • 公式に確認できていない点:今回確認したページでは、データの保存先の地域や、dotsの更新・脆弱性対応の責任分担の記載が見つかりませんでした

ChatGPT Work

  • 権限の切り替え:ワークスペース設定の権限とロールの画面で、クラウド実行とローカル実行を切り替えます。Codexのローカル実行は別管理で、ブラウザ利用とネットワークアクセスも別のコントロールです
  • 確認の仕組み:接続したツールやAPIに関わる重要なアクションを、実行前に確認する自動レビューがあります
  • 支出の管理:EnterpriseとEduの管理者が、Admin Consoleで、ワークスペースの既定値、グループごとの上限、個別の例外、追加クレジットの申請を管理できます。Businessの料金ページにも、「利用状況分析、予算管理、支出管理」を含むとの記載があります
  • イベントトリガー:EnterpriseとEduでは、管理者の有効化が必要です

Claude Cowork

  • オン・オフ:TeamとEnterpriseとも、Cowork本体は既定でオンで、オーナーが無効化できます
  • クラウド実行:別の設定で、Teamは既定でオン、Enterpriseは既定でオフです。ラップトップを閉じていても、端末がオフラインでも動くスケジュール済みタスクは、この設定が前提です
  • 内蔵ブラウザ:Teamは既定でオンです。Enterpriseは当初オフでしたが、2026年9月10日から、オフにしていなければ既定でオンです
  • 承認の設定:管理者は、メンバーが「自動承認」モードを使えるかを設定できます(既定ではオンです)。書き込み可能なコネクターについて、毎回の承認を省く設定の許可は、既定でオフです。Enterpriseでは、最も制限的な設定が優先されます
  • ローカルのデータ:ローカルセッションの会話履歴は、ユーザーのPCに保存されます。Anthropicの標準のデータ保持ポリシーの対象外で、管理者が中央で管理・削除することはできません(削除の機能は未提供とされています)。会社側で履歴を一括して削除できない点に、注意が必要です。Enterpriseの管理者は、この内容をCompliance APIで取得できます
  • ログ:TeamとEnterpriseのオーナーは、ツール呼び出しやファイルアクセスなどの記録を、OpenTelemetry(外部の監視基盤へ送る仕組み)で配信できます。ただし、コンプライアンス用の監査ログの代わりにはなりません
  • リスクの明記:プロンプトインジェクション(外部の文章に紛れた悪意ある指示でAIが操られること)のリスクは「ゼロではない」と明記されています

Claudeのプラン間の差は、料金ページに整理されています。

  • Team:SSO、一元的な請求と管理、コネクターの管理者コントロール、使用状況分析を備えます
  • Enterpriseのみ:監査ログ、Compliance API、ロールベースのアクセス制御、SCIM、カスタムデータ保持です
  • 学習への利用:Team・Enterpriseでは既定で行われません。Free・Pro・Maxでは、設定で無効にする(オプトアウト)形です

SSOは1回の認証で複数のサービスを使える仕組み、SCIMはアカウント情報を自動で連携する規格です。

これらの管理機能の差から、監査ログやアクセス制御が必須の企業は、ClaudeならEnterprise、ChatGPTならEnterprise・Eduを前提に検討します。Business・Teamの管理機能で足りるかは、自社の要件と照らして確認してください。

Team・Enterpriseの統合時期は、確認できませんでした。Team・Enterprise向けのClaudeヘルプ(前掲)は、「現状のまま維持する」と案内するのみです。公式ブログは、Teamは「追って」、Enterpriseは変更の30日以上前に管理者へ通知すると説明しています。

Claude Coworkの導入・統制の考え方は、既存記事でも整理しています。ただし、統合前の位置づけで書かれた記事のため、最新の仕様は上の公式情報とあわせて確認してください。

▼ Claude Coworkの導入と統制について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

業務別にどれが向く?

公式が挙げる例を見ると、3製品とも資料・分析・調査といった知的作業を対象にしており、業務の種類だけでは決まりません。差が出るのは、仕事の任せ方です。この記事では、dotsを継続型(目標を渡して、任せ続ける)、ChatGPT WorkとClaude Coworkを依頼型(依頼のたびに、成果物を作らせる)と整理します。

以下の表は、公式が紹介している例にもとづく整理です。例は各社が自社製品について挙げたもので、製品どうしの優劣を示すものではありません。

製品型公式が挙げる例向く使い方(この記事の整理)
dots継続型Slackで報告されたバグの調査、請求書の作成(本人の承認後に送信)、計画策定の支援発生した出来事に合わせて動き、継続的に見守る
ChatGPT Work依頼型月末の予算差異の分析、営業ミーティングの準備、顧客調査からキャンペーンのブリーフ・素材の作成期限や成果物が決まっている作業を、依頼のたびに任せる
Claude Cowork依頼型週次レポートの自動化、スプレッドシートの統合、契約レビュー、営業通話の分析定期的な集計やレビューを、チャットと同じ画面で任せる
根拠前掲の発表ページ前掲の発表ページ・Claude公式「Cowork」

表の読み方には、注意点が2つあります。

  • 例の重なり:週次のレポート作成や分析は、WorkとClaude Coworkの両方の例に近い内容があります。この2つは、どちらも依頼型なので、業務名では選べません。すでに使っているAI(ChatGPTかClaudeか)と、前の節の管理機能の要件で選びます。依頼型か継続型かは、dotsとほかの2つを分けるときの目安です
  • 確認の必要性:dotsについては、公式が「dotは間違えることもあるため、重要な影響を伴う作業は必ず確認してください」と案内しています。請求書の例も、初期テスターのdotが作成し、本人の承認後に送信されたものです

公式の例からは、目標を渡して継続的に任せる作業はdots、成果物と期限が明確な作業はChatGPT WorkやClaude Coworkへの依頼、という分担が読み取れます。ただし、これは公式の例にもとづく見立てです。自社の業務で期待どおりに動くかは、小さく試して確認してください。

契約先の判断軸

作業の動き方、管理機能の要件、すでに使っているAIの3つの判断軸を同じ大きさのカードで横に並べ、下の1つの帯に集めて決める様子を描いた手描き風のイラスト

図4:契約先は、3つの判断軸を照らし合わせて決める(公式情報をもとに作成)

契約先は、次の3つの判断軸で考えます。順番に絞り込むものではなく、3つを照らし合わせて決めます。

判断軸状況向く製品
主な作業の動き方会話の合間も、調査や対応を任せ続けたいdots(ProかBusiness Premiumが前提。Enterpriseはベータ版)
依頼のたびに、資料や分析を成果物として作らせたいChatGPT Work
Claudeのチャットと同じ会話の中で、作業まで任せたいClaude Cowork(Pro・Maxで先行。Team・Enterpriseは統合前の形)
管理機能の要件監査ログやアクセス制御が必須ChatGPTはEnterprise・Edu、ClaudeはEnterpriseを前提に検討(dotsはEnterpriseではベータ版)
要件が緩い管理機能では絞らず、ほかの軸で決める
すでに使っているAIChatGPTを使っているdots、またはChatGPT Workから試す(dotがWorkのタスクを作成できる場合があるため、両方を同じChatGPTの中で使える)
Claudeを使っているClaude Coworkから試す
どちらも使っていないほかの2つの軸で決める

3つの軸の結果が分かれたときは、管理機能の要件を満たせるかを先に確認し、そのうえで、作業の動き方と、すでに使っているAIを照らし合わせます(この記事の整理)。

判断軸とは別に、どの製品でも、読み取り中心の作業(情報収集や確認など、送信や削除を伴わない作業)から試すのがおすすめです。権限の設定は、管理者や情報システム部門と相談しながら、段階的に広げます。

この判断軸は、公式情報を整理した目安です。社内規定や、情報システム部門の方針が優先されます。社内の説明や稟議には、この記事の比較表と、出典の公式ページをあわせてお使いください。

導入前に確認したいことは?

導入前には、対象プラン・管理設定・データの扱いの3点を、公式の最新情報で確認してください。

  • 自社が契約している(する)プランが、対象に含まれていることを確認したか
  • 管理者がオン・オフを切り替えられる単位と、既定値を把握しているか
  • 監査ログやCompliance APIが、契約プランで使えることを確認したか
  • 承認が必要な操作を、利用者の設定で決められることを確認したか
  • ローカル実行時の会話履歴の保存場所を、把握しているか
  • dotsの場合、アプリ連携を解除しても取得済みの情報は残ること、削除にはdotの削除(Reset)が必要なことを、把握しているか
  • 料金ページの金額が、税込か税抜か、通貨は何かを確認したか
  • 読み取り中心の小さな作業から始める計画を立てたか

2026年10月2日時点で、今回確認したページでは見つからなかった主な点は、次のとおりです。

  • Claude Team・Enterpriseへの統合の時期:Team・Enterprise向けのヘルプは現状のまま維持と案内するのみで、時期の記載は見つかりませんでした
  • dotsの更新・脆弱性対応の責任分担とデータの保存先の地域:記載が見つかりませんでした
  • dotsの日本での提供の明言:日本を名指しした記載は見つかりませんでした。ただし、Proの除外地域はEEA・スイス・英国のみで、Business Premiumはサポート対象の全ChatGPTリージョンが対象です。詳しい読み方は、「dots・OpenClaw・Hermes Agent比較」の記事で整理しています
  • ChatGPTの料金の税込・税抜:料金ページに記載が見つかりませんでした。参考として、OpenAIヘルプ「The Japanese Consumption Tax on your OpenAI Invoices」は、日本でOpenAIから直接購入する顧客に10%の消費税(JCT)を課すと説明しています。Enterprise契約のような個別契約の事業者には、リバースチャージ(日本の事業者が自己申告して納税する方式)が一般に適用されるとのことです。なお、これは請求時の課税の案内で、ChatGPT料金ページの表示が税込かどうかを示すものではありません

仕様が流動的な3製品ですので、契約の直前に、各社のヘルプと料金ページを再確認してください。

まとめ

dots・ChatGPT Work・Claude Coworkの比較とは、OpenAIとAnthropicが提供する3つの業務向けAIを、動き方・料金・管理機能で整理し、自社に合う契約先を選ぶ作業です。

  • 動き方の違い:dotsは常時稼働の形(Workとは、起点・持ち物・任せ方が違う)、ChatGPT Workは依頼ごとに成果物を作る形、Claude Coworkはチャットと統合された形(Pro・Maxで先行。Team・Enterpriseは現状のまま)です。同じChatGPT内のdotsとWorkは、条件つきで組み合わせて使えます
  • 料金:ChatGPTは円、ClaudeはUSDの表示(Claudeは日本の消費税10%込みと記載)で、金額の大小は比べられません。シート構成と含まれる機能で見ます
  • 管理機能:オン・オフ、ログ、データの扱いに、プランごとの差があります。監査ログが必須なら、各社のEnterpriseを前提に検討します
  • 向く業務と選び方:公式の例は3製品で重なるため、依頼型(WorkとCowork)か継続型(dots)かと、すでに使っているAIで判断し、3つの判断軸で絞ります
  • 確認事項:dotsの責任分担やデータの保存先の地域など、見つからなかった点は、導入前に再確認します

まず頼みたい作業を1つ書き出し、頼むたびに完結する作業か、見守り続ける作業かを考えてみてください。そのうえで、読み取り中心の小さな作業から試すところから始めましょう。


出典一覧

  1. 「dots のご紹介」 — OpenAI(2026-09-29)
  2. OpenAIヘルプセンター「Getting started with your dot」
  3. OpenAIヘルプセンター「Dots privacy, security, and safety FAQs」
  4. 「ChatGPT は、あなたの最も意欲的な取り組みのパートナーに」(2026-07-09)
  5. OpenAIヘルプセンター「ChatGPT Work and Codex」
  6. ChatGPT「料金」
  7. OpenAIヘルプセンター「The Japanese Consumption Tax on your OpenAI Invoices」
  8. 「Claude Cowork and chat are now one Claude」 — Anthropic(2026-09-16)
  9. Claudeヘルプセンター「Claude Cowork and chat are one Claude」
  10. Claudeヘルプセンター「Use Claude Cowork on web, desktop, and mobile」
  11. Claudeヘルプセンター「Get started with Claude Cowork」
  12. Claudeヘルプセンター「Use Claude Cowork on Team and Enterprise plans」
  13. Claude「料金」
  14. Anthropic「Supported countries and regions」
  15. Claudeヘルプセンター「How to use Claude in your preferred language」
  16. Claude公式「Cowork」
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えだまめ

執筆者:えだまめ

Elcamyでバックオフィスとブログ執筆を担当。AI未経験の状態からAI活用を学び、Claude CodeをはじめとするAIエージェントの実務活用法を発信している。

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